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概要:「アナウンサー9人による司会が決定!」日本最大級のスタートアップイベントのリリースが、物議を醸している。
スタートアップカンファレンス「IVS2020」のプレスリリース。
画像: SOCIALWIRE
国内最大級のスタートアップイベント「Infinity Ventures Summit 2020(IVS2020)」が、7月30日と31日に開催するオンラインカンファレンスで大手芸能事務所「セント・フォース」の女性アナウンサー計9名を司会(メインモデレーター)に登用するというプレスリリースを打ち出し、一部SNS上で物議を醸している。
「なぜ若い女性しかいないのか」
画像: SOCIALWIRE
女性リーダー比率の低さが浮き彫りになる中、スタートアップイベント「IVS2020」が出したリリースは「司会9人が全員女性」というもの。スタートアップの経営者らが集うイベントながら、発表された進行役がオール若い女性という内容に、SNSでは「女性=補佐役というステレオタイプの再強化」「ここは何時代?」などと波紋を呼んでいる。
7月、政府は掲げていた「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする」という目標を断念し、達成期限を先送りすることが相次ぎ、報じられた。報道によると、新たな目標時期は「30年までの可能な限り早期」という、あいまいなものになるという。
2019年に世界経済フォーラム(WEF)が発表した「男女格差(ジェンダーギャップ)指数」でも、日本は男女の所得格差や政治家・経営者の数などが影響し、過去最低の121位になっている(153カ国中)。
個々人の能力ではなく問題は「見せ方」だ、とジャーナリストの治部れんげさんは語る。
画像: SOCIALWIRE
ジェンダー問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんは「(封建的な組織が少なくない)大企業ですらジェンダーバランスに配慮している昨今、このリリースに『なぜ若い女性しかいないのか?』という異論がなかったということに、まず驚く」と語る。
「登壇している個々人の能力とは関係なく『司会が全員、若い女性』となれば、女性性をある種の“アイコン”として出しているように見えます。ここに男性が数名入っていたらこうは言われていないはず。そうした見せ方こそが、彼女たちの能力を貶めているのです」
似た例として、治部さんは神奈川県が女性活躍のために取り組んでいる「かながわ女性の活躍応援団」のウェブサイト上に掲載されていた画像(現在は差し替えられている)を挙げる。
「あの画像も、写っている一人ひとりは女性活躍に真摯に取り組んでいたのだと思いますが、あの画を見るとやはり『えっ、なんで男性だけ?』と言われてしまう」
「女性が、どんどん主役になる。」というキャッチコピーで物議を醸した「かながわ女性の活躍応援団」のウェブサイト。
画像:神奈川県庁人権男女共同参画課 Twitterより
「女性比率を上げればいい」ではない
IVS2020は7月30日と31日に開催される。
画像:Infinity Ventures Summit
さらに治部さんは「職種はなんでもいいから、女性を増やせばいい」という考えは本末転倒だ、とも指摘する。
「安倍政権下では、女性活躍が最重要課題の一つとして掲げられましたが、結局のところ増えたのは、非正規雇用の女性。経営層や管理職の比率は目標に達していません」
なお、現時点でのIVS2020の女性登壇者比率を公式ウェブサイトから算出してみたところ、約2割だった(登壇者260名中50名が女性)。これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは難しいところだが、少なくとも、筆者が過去に取材したスタートアップイベントよりは高くなっているというのが実感だ。
ただし、政府目標の達成のためには、女性をリーダー層に登用していくことはもとより、今まで女性が担っていた役割を男性が当たり前に担うなど、性別による役割の固定化をなくすこともまた重要だ。
治部さんは、職業におけるジェンダーバイアスをなるべく排していくことが必要だと指摘した上で、こう語る。
「私の知る限りこうしたビジネスイベントの司会者のほとんどは女性ですが、もしかしたら司会をしたい男性もいるかもしれない。『一般職を希望する男性もいて良いじゃないか』という議論と似ていますが、主催側は、性別役割分業のステレオタイプを強いていないか、常に問わねばなりません」
(文・西山里緒)
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